決して結ばれることのない、赤い糸

「だから受験のとき、志望校もこっちの高校にして」

「そうだったんだ」

「地元の友達とは離れることになったけど、そうしたら隼人も天川高校を推薦で行くことになってさ。1人でも近くに知り合いがいるとうれしいよね」


クミちゃんはニカッと笑った。


クミちゃんの話を聞くと、隼人とはこっちで出会ったのではなく、クミちゃんが前に住んでいた地域の中学校に隼人が転校してきて知り合ったようだ。

わたしは中学1年のときの隼人しか知らないけど、クミちゃんは中学2年生からずっと隼人といっしょだったんだ。


「リョウタも隼人に懐いてて、少しサッカー教えてもらってから、サッカーにハマりだしちゃって。単純でしょ?」


サッカーを習いたいとリョウタくんが話していたけど、それは隼人に憧れたからなんだ。


「学校は違うけど、私のことも気にかけてくれるから、ほんと隼人はいい友達だよ」