「ここがオレの家!」


リョウタくんは、1軒の家の前で足を止める。


「ありがとな、お姉ちゃん!」

「どういたしまして。じゃあ、わたしは帰るね」

「うん!バイバーイ!」

「リョウター!」


そのとき、後ろからリョウタくんの名前を呼ぶ声がした。


「あっ!姉ちゃん!」

「…お姉さん?」


リョウタくんが話していたお姉さんがちょうど帰ってきたようだ。


わたしはゆっくりと振り返る。

――そこにいたのは、ショートヘアの女の子。


「「あっ…」」


重なる声。

向かい合うわたしたち。


なんとリョウタくんのお姉さんとは、隼人の彼女の…クミちゃんだった。


「もしかして、かりんちゃん…だよね!?」

「あ…、うんっ」


わたしに歩み寄るクミちゃん。


「…ごめんね!ウチのバカ弟がなんかした!?」