「好きだ、かりん」


…夢かと思った。

カズがわたしのことをそんなふうに想っていただなんて、…まったく知らなかったから。


「隼人と付き合っていたって、記憶を失くした隼人に涙していたって、再会してまだ隼人のことが好きでいたって…。オレは、そんなかりんのことがずっと好きだった…!」


――そんな前から、わたしのことを。


カズは、わたしと隼人のことを応援してくれる信頼できる友達だと思っていた。


それが…、本当は自分の気持ちを押し殺して、わたしの幸せを陰から見守ってくれていたなんて。


「かりんがずっと隼人のことを好きなのは知ってる。…それでもいい。オレは隼人の代わりでもかまわない。だから、オレのところにこいよ」


カズの告白に戸惑うわたし。

そんなわたしに、カズはそっと手を差し伸べた。