決して結ばれることのない、赤い糸

「優奈にも優勝したこと知らせたら、『おめでとうって言っておいて』ってメッセージがきたよ」

「じゃあ一応、優奈にも『ありがとう』って伝えておいて」

「わかったよ」


今日のサッカーの決勝戦を楽しみにしていた優奈。

だけど、ダンス部も大会が近くて練習を抜け出せなかったから、メッセージで結果を報告していた。


わたしはジュースを飲みながら。

カズはさっき売店で買ったアイスをかじりながら、バスがくるのを待っていた。


そこへ…。


「…おっ!カズじゃん!」


そんな声が聞こえて、だれかがカズの後ろに並んだ。


同じサッカー部の人かな?

そう思いながら、目を向けると――。


「もしかして…、広瀬さん?」


なんと、それは隼人だった…!


「はやっ……あ…、瀧くんっ」

「俺のこと、覚えててくれたんだ!」