わたしの知らない隼人の時間が、2年も存在していた。


その中で、隼人がだれを好きになってだれと付き合うかなんて、…それは隼人の自由。


なぜなら、記憶を失くした隼人はわたしの気持ちは知らないし、そもそもわたしたちが付き合っていたことすら知らない…。


いつまでも隼人の彼女気取りでいたのは…わたしのほうだった。


隼人の時間は、記憶を失くしたときから新たに動き出しているというのに、わたしの時間はあの日で止まったままだった。


…わたしと違って、ショートヘアの活発っぽいかわいい彼女。


その彼女に微笑みかける隼人の顔は、わたしと付き合っていた頃となんら変わらなくて――。

…だけど、その隣にいるのはわたしじゃなくて。


どうしようもなく、胸が締めつけられた。


さっきの一瞬の光景が目に焼きついて、なかなかわたしの脳裏から離れない。