決して結ばれることのない、赤い糸

その日の放課後。


「かりん、カズ!早く早く〜!」


掃除が終わり、優奈に急かされながら、わたしとカズは教室を出た。


今日は、3人でカラオケに行く予定。

部活が始まってしまっては、なかなか放課後にカラオケに行く時間もないとかで。


昇降口でローファーに履き替え、3人並んで歩く。

すると、前に歩いていた人物を指差す優奈。


「…ねぇっ。あれって、隼人じゃない!?」


優奈に言われる直前に、わたしもそうだと思った。


スクールバッグを肩にかけて、校門に向かって歩く隼人。


隼人も今から帰宅かな。


――そんなことを考えていると。


「せっかくだしさ、隼人もカラオケに誘ってみない!?」

「…えっ!?」


また唐突すぎる優奈の提案。


たしかに、隼人は1人で歩いている。