決して結ばれることのない、赤い糸

「どうだろうな。そうなったら、またオレと同じになるけど」


隼人が、サッカー部――。


事故で脚をケガしたけど、もうサッカーに支障はないのかな。

もし、また隼人とカズが試合に出られるのなら、中学のときみたいに応援に行きたいな。


「そうと決まれば、さっそく隼人に会いに行こうよ!」

「…えっ!?会いに行くって…!?」

「かりんは昨日会ったんでしょ?だから、あたしとカズも早く仲よくならないと!」


ほんと優奈は、考えるよりもまずは行動に移すタイプだ。

その行動力には、いつも尊敬する。


だけど、いきなり声をかけるのは――。


ということで、休み時間は7組に行って、遠くから隼人を眺めるだけに留めておいた。


身長や髪型、声も少し変わってたけど、だれとでも気さくに話す変わらない隼人の姿に、優奈もカズもうれしそうだった。