決して結ばれることのない、赤い糸

校門付近では、門を閉めようとする先生が待機していた。


なんとか昇降口まで着いたものの、校門をくぐらなければ意味がない。


その点、隼人は運動神経がいいから、校門までの距離なんてあっという間に走っていける。


だから、わたしを置いて――。


「だったら、いっしょに行こう」

「え…!?」


気づいたときには、腕を隼人につかまれていて――。

そのまま隼人は、わたしを引っ張って走り出した。


隼人のスピードについていけるわけがないと思ったけど、バテているわたしに合わせてくれようとしている。

なぜなら、時々振り返りながら、「あと少しだからがんばれ」と声をかけてくれるから。


そのおかげで、時間までに無事に外に出ることができた。


「…ハァ、…ハァ」


息が上がって、まともに呼吸ができない。