決して結ばれることのない、赤い糸

あの頃よりもさらに身長が伸びていて、長くなった髪に緩めのパーマをあてていて、声変わりもしていたから、初めはまったく気がつかなかった。


でも、顔を合わせてすぐにわかった。

2年たっても関係ない。


わたしの目の前に佇むのは、今でも心に想いを秘めていた――。

あの、隼人だった。


夢みたいな現実に、思わず涙があふれる。


「もしかして…どこが痛いっ!?」

「大丈夫…です。ちょっと目にゴミが入っただけで…」


隼人を困らせちゃいけないと思って涙を拭うけど、再会できたことに、またうれし涙が込み上げる。


突然泣き出したわたしに対して、隼人はゆっくりと背中を擦ってくれた。

隼人にとっては初対面のようなわたしに対しても、優しく接してくれる隼人。


しかし、すぐに現実に引き戻される。