決して結ばれることのない、赤い糸

その人の微笑む…白い歯が見えた。


と同時に、――わたしは息を呑んだ。


心臓が飛び跳ねそうなくらいドキッとして、徐々に鼓動が速くなる。


目に映る光景が、夢か現実かわからないくらい動揺して…。

今まで封じてきた想いが、あふれんばかりに胸を締めつけた。


――そして、自然と一筋の涙が頬を伝った。


「…えっ!?ごめん…!そんなに痛かった…!?どこかケガでもしたっ!?」


涙を流すわたしを見て、慌てふためくその人は――。


わたしが、ずっとずっと会いたいと願っていて。

だけど、ずっとずっと会えないのを我慢していて。


挫けそうなときもあった。

いっそのこと、忘れてしまったほうが楽なのかもしれないと思うこともあった。


でも、いつかどこかでまた会えると信じて、待ち続けていた人――。