つらつらと考えていればエレベータは1階へと到着した。

この時間は警備員が常駐する裏口を通らなければならなかったのでエレベータを降り右へ進んだ。

人感センサーで次々と付く明かりに導かれるように裏口へ向かう。

ゲートに自分の首に下がるICカードをかざす。

そのカードをバッグにしまいながら、そう広くないスペースを歩く。

出口の手前にある長いすに座る人影に気づいた。

それは、この二週間会いたくないと思っていた相手、俊貴だった。