同期の溺愛は素直に受けて正解です

「・・・私は俊貴と仲がいいから、同じ会社にいるし、いろいろと不安になるから、これからはできるだけ距離をとって接してほしい、て言われた。」

オドオドと俊貴をチラ見しながら白状する紗菜。

呆れるように俊貴が大きなため息をついた。

「やっぱり、あいつ嘘つきにもほどがあるよ。まあ、最初っからそんな感じってみんな知ってたから、素直な太田以外相談に乗るの拒否されたんだけどな。」

「最初からって？」

みんなって大学の友達って事だよね。

だったら最初って大学の頃から・・・。

「性格が顔に出てるだろ。素直でまっすぐだから紗菜は嫌な顔しないで陽子に付き合っていたもんな。」

俊貴が嫌味な笑みを浮かべて紗菜を横目で見る。

バカにされている感じがした。

自分は人を見る目がないのか、とガックリした紗菜。

「・・・そんなことないよ。嫌だって思う時もあったよ。だいたいちゃんと先輩として面倒見てたのに私に腹いせってなによ！」

確かに陽子は苦手だったが、みんなが嘘つき認定しているとはまったくわからなかった。

だんだん、怒りが沸いてくる紗菜。