同期の溺愛は素直に受けて正解です

静かな車内。

遠くを走リ去る車の音だけが聞こえる。

紗菜の怒りが少しだけ落ち着く。

「だいたい、付き合ってもいないのにどうして結婚になるんだよ。陽子とは去年の就職説明会で挨拶をしただけでそれ以来、会ってない。向こうから電話はきてたけど。」

目を見開き驚く紗菜。

付き合ってないの?

嘘?

今の段階では俊貴が嘘をついていることも可能性としてあるかも、と疑う。

ゆっくりと息を吐いて紗菜は自分を落ち着かせる。