「…まだ内緒だった?でも、本人から聞いた情報だからあてずっぽじゃないよ。それに私も誰にも言ってないから安して。」

いくら狭いと言ってもそれなりに天井が高いスペースに紗菜の声が響く。

後ろを軽く振り返り誰も来ていないことを確認しながら、なるべく声を潜めて話をした。

まだ、お祝いを告げる段階ではなかったのかな。

口が軽いヤツ、と思われてしまったかもと反省したが、そんなの今更だと思い直す。

これからは、彼女の希望通り挨拶程度の仲になるのだから。