大人になった私から子供の頃の私へ

「ぴぴ、送ってくれてありがとう。」

「ん、またなんかあったら連絡しな。」

そう言ってぴぴは多くは触れずに車で倉庫まで送ってくれた。



倉庫の重い扉を開けるとそこには
仲間達が勢揃いしていた。

倉庫の奥に置いてあるソファーの方に目を向けると、そこには聖と鷹大祐樹と真綾が…よく見るとこの倉庫を聖が譲り受けるまで使っていた先代の信大くんとその仲間の先輩達が座っていた。
広い倉庫に見知らぬ顔の人も集まる中ざっと2〜300人くらいはいるだろうか?

私が人数に圧倒されて立ち止まっている時
聞こえないけど何かをみんなが話しているのは理解した。


鷹大が立ち上がった途端川が出来た様に人が左右に分かれた。

うん…なんかどうしよう?って思って一応自分も右側に寄ってみる。


鷹大が私の前で立ち止まり私の手を引いてソファーの方へ向かう。


鷹大の足の間に座らせられた私。
周りを見渡せばコの字型に置かれているソファーに座っている顔の知れてる人達に加えいつも置いてあるお洒落なガラステーブルを退けて迄そこに正座で座っている一人の知らない男がいた。


???
って思いながら鷹大の顔を見ると小さな声で耳打ちてきた。

「ごめんな伊咲ちょっと黙って聞いててな聖が説明するから」

周りの雰囲気的に言葉を発したらダメな気がして小さくうんとだけ頷いた。


5分ほど沈黙が続き信大くんが口を開いた。

「聖、いつになったら話すつもりだ。話せ。」


聖がやっと頭を上げた。
そして、ゆっくり話し出した。

そして、ふと見ると真ん中に座っている見知らぬ男はビクッと肩を震わせたあと涙を流し始めた。


庄司が息を引き取ったのは朝方の9時過ぎ。
昨日一緒にいたのは太一と呼ばれるこの真ん中で涙を流している男。
なぜここに座っているのだろうと思っていた。
だんだんと予想がついた。
昨日聖達も一緒に居なかった。
庄司はこの太一と呼ばれる男に誘われて他2人の後輩と一緒に居たらしい。

そこまで話したところで聖が太一と言われる男に自分で話せと声をかけた。


「昨日庄司はバイクに乗ることを俺が進めた時断ったんだ…それを…俺はしつこく乗れよって誘ったんだ。ずっとずっと誘ってたけど庄司は伊咲ともう乗らないって約束したからって乗らなかったんだ。それでも俺が…バレなきゃいいんだよって言ったりいろんな事を言って乗らせたんだ…そしたら…そのまま…電柱に突っ込んで行って…やべえって思って近寄ったら庄司が血だらけで…呼びかけても呼びかけても返事が無くて…俺どうしようって…俺怖くなってちょっと逃げてしまったんだ…その場に残った後輩が救急車呼んでくれてたみたいでもっと怖くなって戻った時には救急隊員が後輩の付き添いの元庄司を救急車に乗せていた。パトカーとかも来てて…」

そう言って嗚咽混じりに泣き出した。
沸々と怒りがこみ上げてきた。
どうして?庄司は断ってたんだ
しつこく誘わなければ乗らなかったかもしれない。
最終的に誘惑に負けて乗ってしまった庄司が悪い。
頭ではわかっているけれど…
ふざけるな…泣きたいのはこっちだよ。