先生との帰り道は思いがけなく楽しくて、 自然と歩幅は狭く歩みは遅くなっていた。 人通りが減った駅前の広場でしばらく話し込んでしまった。 ふと時計を見ると30分も経っていて、先生に 「早く行かないと」って、言おうと思ってたのに。 「帰りたくないです」 気がつけば真逆のことを口走ってた。 それが現実逃避なのか、甘えなのか、本心なのかさえも全くわからないまま。