「先生に誤解されてるのかも」
今日の昼休み、白い曇り空の下、
そう彼女は言った。
「放課後どんなことしてるのか、
先生に細かく聞かれて」
つい、佐倉咲の話を遮るように
思ったことを口にした。
「仲良くなりたいんじゃないの?」
「そんなわけないです」
私の気楽な言葉に気を悪くしたのか、
佐倉咲は強い口調で言った。
私が暫く黙ると、さっきの勢いをごまかすように、
ほっぺたを膨らませて上目づかいで私の方を見た。
私は彼女の挙動を冷静に真顔で見守る。
なんだこの時間は。
そう思いながらも、
彼女の行動に特に触れなかったら
彼女は何を言うのかという好奇心が
腹の底から沸き上がった。
それに加えて、こんなことを自然にできる彼女がうらやましくもあった。
「髪の色からそんなことになるなんて思わないじゃないですか。それに、髪色も生まれつきだし」
彼女は何もなかったかのように会話を再開させた。