「俺が聞いたら、それこそ、完全にアウトだろ。」

「別に構いませんよ。それくらい。
残念ながら、恋人も旦那様もいません。」

私が言うと、

「やった!
じゃあ、のどかさん、今夜、飲みに
いきません?」

と真下さんが言った。

これ、もしかして、口説かれてる?
ただの社交辞令?

「ごめんなさい。
今日は、1階の大家さんにアジフライを
ご馳走する約束になってて。
また今度、誘ってくださいね。」

「ぷっ」

修ちゃんが噴き出した。

「え?
のどかさん、いまどき、大家さんと
交流があるんですか?」

真下さんが不思議そうに尋ねる。

「はい。
小学生の頃からかわいがってくださって、
とてもお世話になってる方なんです。」

「そうなんですね。
ちゃんとご近所付き合いできる女性って、
素敵ですよね。」