『え!? 社長も!?』

「はい。」

『社長に嫌とは言えませんよ。
社長は、どこかご希望はあるんですか?』

「少々お待ちください。」

私は受話器の通話口を押さえて、社長に確認する。

「社長、行きたい所は、ありますか?」

「社食。」

社食!? 社長が!?

普通は、社長は社食には行かないよね?

ま、いいけど。

「社長は社食に行きたいそうです。」

『社食!? ほんとに!?』

「はい。」

『じゃあ、
『2階エレベーター前でお待ちしてます』
とお伝えください。』

「かしこまりました。」

私は、電話を切った。

「社長、
『2階エレベーター前でお待ちしてます』
との事です。」

「分かった。じゃあ、行こう。」

社長が先に立って歩き始めたので、私は慌てて財布とスマホを入れたポーチを持って、後に続いた。