社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】

「教えてませんよ。
それがどうしたんですか?」

「真下は、ランチに行ければラッキー。
行けなくても、断りの電話があれば連絡先
ゲットでラッキー。って思ってるぞ。」

「は?
社長、なんで同じ社内の人に連絡先を
隠さなきゃいけないんですか?
仕事上、連絡が必要な時もあるでしょう?」

「……… 分かった。
午後は、夕方まで時間があるから、会社名義で
スマホを一台契約してきてくれ。
会社契約の携帯会社などは、総務に確認して。
で、それを佐倉さんが持って、社内外、仕事上
必要な連絡はそれでするように。
今は、会社の電話を使って、真下に掛けろ。」

「はい。かしこまりました。」

修ちゃん、警戒しすぎじゃない?
修ちゃんの会社の人だよ?

私は、自分の席から、真下さんの携帯に連絡をした。

『真下です。』

「佐倉です。お疲れ様です。」

『お疲れ様です。』

「先程のランチの件ですが、社長も同行したいとの事ですが、よろしいでしょうか?」