社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】

10時。

私が玄関で靴を履いて待っていると、修ちゃんがやってきた。

「お待たせ。行こうか。」

私たちは、揃って玄関を出て、車に乗る。


ふふっ
修ちゃんの寝癖は直ってる。


修ちゃんは、車で15分程のショッピングモールに連れてきてくれた。

その中の寝具専門店に入り、ベッドパッドやシーツを大きなカートに乗せる。

で、迷う。

掛布団、どうしよう。

2万円。出せない金額じゃない。

私が布団と睨めっこをしていると、修ちゃんが、ひょいっとカートに乗せてしまった。

「え? まだ、買うかどうか決めてない。」

私が言うと、

「就職祝い。」

と言われた。