社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】

「サンドイッチは料理のうちに入んないよ。
じゃあ、修ちゃんの分も作るね。」

私が階段を上がると、その後ろを修ちゃんもついてきた。

修ちゃん、寝癖、気付いてるのかな?

ま、いいか。
これはこれで、かわいいし。

私はキッチンに戻ると、パンをトーストしてサンドイッチにした。

修ちゃんには、ブラックコーヒー、私にはカフェオレを入れる。

ダイニングテーブルに並べて、2人で向かい合って食べる。

「お、マスタードが効いてて、うまい。
28歳女子、やるなぁ。」

修ちゃんは、あっという間に、完食した。

「10時頃、買い物に出るから。
寝具の他に、いる物なかった?」

「あ、アイロン!」

「ああ、じゃあ、家電も見に行こう。」

「忙しいのに、ごめんね。」

「いいよ。
のどかのためなら、いくらでも時間作るよ。」

「ありがとう。」

修ちゃんは、また、食器を片付けて、帰っていった。