祝賀会の最後、俺はお礼の挨拶に立った。

俺は事前に用意したありきたりな挨拶をした後、

「わたくし事ではありますが、この度、そこに
控えております佐倉のどかさんと結婚する事に
なりました。
未熟な2人ですが、我が社同様、あたたかく
見守っていただけると幸いです。」

と付け加えた。

のどかが驚いて目を白黒させながらも、きっちりとお辞儀をする。

さすが、プロの秘書。



祝賀会は終了後、俺はいろんな人に捕まった。

馴れ初めなど、質問攻めにあったが、俺は、

「内緒。」

と言って答えなかった。

だって言えないだろ?

15年も片思いをした挙句、社長権限で社宅と偽って同居させました…なんて。