「社内合コンとか、お見合いパーティーとか
どうですか?
男性社員もきっと喜びますよ?」

のどか、花木が俺に気があるのに気づいて言ってる?

もしかして、妬いてくれた?

俺は女の戦いの匂いを感じた。

のどか、おっとりして押しに弱そうなのに、こういう場面では、花木にも負けないくらい強いんだな。


だけど、それですんなり引く花木なら、俺も毎回、手こずらない訳で…

「だったら、社長も参加なさいますよね?
独身男性の筆頭ですもの。」

と返してきた。

「あ、いや、俺は… 」

そう来たか…

「どうしてですか?
社長、以前、恋人はいらっしゃらないって
おっしゃってましたよね?」

「いや、あの時はいなかったんだけど、今は…」

どうしたものかと、のどかをチラッと見ると、

「社長、今はお付き合いされてる方が
いらっしゃるんですね?」

とのどかが助け舟を出してくれる。

「ああ。ちょっと前から。」

「それは参加できませんよね。
鷲見部長はご結婚されてるんですか?」

おお、そこで話を逸らす!
のどか、やるなぁ。

「はい。子供も2人いますよ。」

「いいパパなんでしょうね〜。」

「あ、写真見ます?」

のどかは、鷲見部長が渡して来たスマホを俺の方へ持ってきて、肩を寄せ合うように2人で写真を眺める。

くくっ
これは、明らかに牽制してるな。

俺の事、好きかどうか分からないって言ってたのは、つい一昨日の事なのに。

かわいい奴。

「かわいい〜!!
お姫様と王子様みたい。」

「七五三の写真なんですよ。」

のどかの声に答える鷲見部長。