「ほう! どなたですか?
その幸せな令嬢は。」

「これは、外聞を憚られる話なので、
ここだけの話にしていただきたいのですが…

ここにいる秘書の佐倉なんです。
公私ともに支えてもらっております。」

「ああ!
安井さんが突然秘書を置かれたのは、そういう
事でしたか。
こんな美人とどこで知り合われたんです?」

「彼女とは幼馴染なんです。
実家が近所なもので。
幼い頃からの恋心を最近ようやく成就させよう
と動き出したばかりなんです。
どうかしばらくは温かく見守っていて
ください。」

「それは、うちの娘が突然現れたところで、
太刀打ちできませんね。

残念ですが、末永くお幸せに。」

「ありがとうございます。」

本当に動き出したばかり。

だけど、必ずのどかには、俺の事を好きにならせてみせる。