「俺が聞いたら、それこそ、完全にアウト
だろ。」

「別に構いませんよ。それくらい。
残念ながら、恋人も旦那様もいません。」

のどか、そんな事、教えなくていいのに。

「やった!
じゃあ、のどかさん、今夜、飲みに
いきません?」

は!? こいつ、俺の前でもお構いなしで、口説くんだな。
夏の賞与の査定、下げてやろうか。

「ごめんなさい。
今日は、1階の大家さんにアジフライを
ご馳走する約束になってて。
また今度、誘ってくださいね。」

「ぷっ」

のどか、ナイス!!

「え?
のどかさん、いまどき、大家さんと
交流があるんですか?」

真下が不思議そうに尋ねる。

「はい。
小学生の頃からかわいがってくださって、
とてもお世話になってる方なんです。」

うんうん。

「そうなんですね。
ちゃんとご近所付き合いできる女性って、
素敵ですよね。」

どんなに素敵でも、お前には絶対にのどかは渡さないけどな。