そのあと、のどかが、

「ねえ、修ちゃん。
明日から1週間分の食材を買い置きしたいん
だけど、スーパーに寄ってもらってもいい?」

って言うから、俺たちはまたスーパーに来た。

すると、のどかが、

「修ちゃん、今夜は何食べたい?」

って聞いてきた。

「え? 今日も?」

俺は驚いた。
そんなに毎日、のどかの手料理を食べられるとは思ってなかったから。

「あ、迷惑なら、ちゃんと断って。
買い物付き合ってもらったし、お布団も買って
もらったから、良かったら…と思っただけ
だから。」

「全然、迷惑じゃないよ。
むしろ、嬉しい。
じゃあ、昨日、肉だったから、魚。」

「了解!」

と微笑んだのどかは、売り場を見ながら、次々と食材をカートに入れていく。

俺、のどかを守るつもりでいたけど、もしかして、のどかにお世話されてる?


魚売り場を見たのどかは、

「修ちゃん、アジフライでもいい?」

と聞いてきた。

「いいよ。」

のどかの手料理なら、なんだっていいに決まってる。


帰宅後、俺は、布団を2階に運んだ。

すると、

「修ちゃん、いろいろ、ありがとう。」

のどかがお礼を言ってくれた。

なんだろう。

のどかの表情のひとつひとつが、俺の胸に刺さる。

片思いって、感情の起伏が激しくて、苦しいんだな。

33にもなって、こんな思いをするとは思わなかった。