「社長、今はお付き合いされてる方が
いらっしゃるんですね?」

私が聞いた。

わざとらしい会話。

「ああ。ちょっと前から。」

「それは参加できませんよね。
鷲見部長はご結婚されてるんですか?」

私は花木さんの向こうの鷲見部長に話を振った。

「はい。子供も2人いますよ。」

「いいパパなんでしょうね〜。」

「あ、写真見ます?」

鷲見部長は、自慢のお子さんの写真を見せたくて仕方がないようだ。

花木さんの前を鷲見部長のスマホが横切る。

私はスマホを受け取って、修ちゃんと見る。

「かわいい〜!!
お姫様と王子様みたい。」

そこには、ドレスを着た小さな女の子とそれより少し大きいタキシードの男の子が写っていた。

「七五三の写真なんですよ。」

鷲見部長が照れ笑いをする。