五十嵐さんが戻った頃には、女の子の3人組が来ていた。

「今日は」

五十嵐さんがぺこりと頭を下げ挨拶する。

すると3人も、「今日は」と口々に挨拶した。

「この子達は常連さんよ」

3人の女の子の腕にもヴァイオリンがあり、
中学生や高校生など、年齢もばらばらの所からすると、
ヴァイオリン教室の生徒だと推測できる。

「それでは始めましょうか」

聴衆たった4人の演奏が始まった。

ビーバー 「ロザリオのソナタ」より”パッサカリア”

ゆったりと始まり、音が響き渡る。

散歩をしていたおば様や、犬の散歩をしていた人も、
どんどん吸い寄せられ。

終わった時には13人ぐらいになっていた。