なんでだよ。
ずっとそばにいたのは俺なのに。
俺は16年生きてきてまはる以外の誰かを可愛いなんて思ったことなんて一度もないし好きと思ったことも一度もない。
バスケを続けてるのだってまはるのためだし俺はずっとずっとまはるだけをみてきた。
なのになんであいつなんだよ。
よりにもよってあんなチャラいやつがまはるの言う「あの人」だったなんて。
代永を見たまはるの顔は今まで見たことない顔をしてた。
なんていうか顔に「好きです」ってかいてあったな。
けど代永も話してみたらふつーにいいやつだった。
だから別に代永が嫌とかじゃなくてまはるが誰かのものになっちゃうってのが我慢できねーんだよ。


オリキャ当日、今日はまはると一緒に学校までいく約束だ。
家が隣だから待ち合わせって感じは全然ない。
ただ家の前で待つだけ。
約束時間になった。
まはるの家からはドタバタ聞こえる。
あいつ支度してなかったのかよ。
ったく。小学生かっつうの。
ガチャ
「ごめん隼人お待たせ。」
ちょっ、おま、其れは反則。
いつもはてきとーにぐちゃくちゃの一つ結びのオールバックのまはるが髪をおろして前髪をつくり、少しカールした髪になっていた。
多分一生懸命コテで巻いたんだろうな。
「なに隼人、なんかいってくれてもいいじゃん」
やべぇ誰にも見せたくね〜、
「別にいいんじゃね
少しは女子に見える」
なに言ってんだ俺。
「ひどーい
褒めてくれてもいいのにさ」
ちがう!可愛いよ世界一。でもいえねーよこんな恥ずかしいこと。
「ほら貸せよ」
「え?」
「荷物
重いだろ」
「あ、うんありがとう」
155センチしかないのまはるには旅行用のバックは大きすぎる。
ほんとは前日までに学校に持っていくはずたけど、どうせ忘れたんだろ。
俺は昨日もっていったから行動用のリュックしかない分身軽だ。
何千回も通った道を2人で進んで行った。
そういえばいつからだっけか。
俺がまはるに合わせて歩くようになったのは。
178センチの俺とまはるの歩幅は合わない。ちょこちょこ歩くまはるが可愛くて仕方がない。
「意外と余裕で間に合ったな」
「うん!荷物ありがとう」
笑顔ぱねぇー。
「あ、おーい一凛〜、代永くん〜
おはよ
オリキャ楽しみだね」
「うん!!
邪魔な奴がいなきゃな
てかいい加減離れろよ
まはると話してんだよ
きめーんだよ」
「いーじゃん
俺もいれろよ。
だからきもくねぇーよ」
「は?いれるわけねーだろ
ばーか」
代永と鈴宮は相変わらずだな。
「まぁまぁ一凛落ち着いて?
いよいよオリキャだよ!
しかもあたしと一凛と隼人と代永くんの班ってすっごく当たりじゃない?」
「まはると一緒は嬉しいけど...
泉とこいつは余計なの!!」
「こいつって俺のことかよ
たくほんと口わりーな」
「きもい黙れ空気の無駄わ」
「だからきもくねぇーよ!!」
「お前ら仲良いな」
「明日結婚するわ」
「ふざけんな
つぶすぞ」
やっぱ仲いいじゃねーか
「1ー3全員そろったか?
そろった班からバス乗っていいぞー」
天宮先生の声に鈴宮は敏感に反応した。
そういえば鈴宮ってずっと天宮先生のことみてるとこ多いよな。
よく2人でいるとこもみるしな。
なんかありそうだけどだりーしいいや。