「さあノエル様、準備ができましたよ。頑張って来てくださいね」

リースによって公式の場での王女のドレスに着替えた私。

普段の服よりも豪華ではあるが、それでもほかの女性が着ているドレスよりも地味だろう。

後ろの髪は結ってもらったが、前髪はそのままにしているので、不気味さも健在だ。

「前髪邪魔ではありませんか?やはり切った方が…」

「嫌だ」

「それよりノエル様、ドレス姿で歩けるのですか?」

「ゼノ、バカにしすぎでしょ」

「いえ、なにせいつも王女でありながら男性のような格好をなさるので」

「心配無用だ」

「それなら構いません。さあノエル様、謁見の間までお供します」

「行ってらっしゃいませ、ノエル様」

「ん」