フェリシア王国建国記念日の前日、フェリシア王宮の大広間では舞踏会が行われていた。

国賓でもある俺はもちろん出席しなければならなかったが、外交は次期国王となる兄上に任せているため、やることがない。

さらに誰も頼んでいないのに女が寄ってくる。

正直それぞれの香水が混ざりあって鼻がもげそうだ。

なんとかその輪から抜け出し、バルコニーの方を見た俺はこの国の第二王女を見つけた。

休憩がてら話しかけようと俺はバルコニーに足を向けた。