「…ゼノ」

「ノエル様、おはようございます」

ゼノン·グラシア。私に仕えるもう1人の人物で、執事をしている。

「チッ、クソメガネ」

「ノエル様!王女様ともあろう方がそんな言葉遣いではいけませんよっ」

「だってゼノが」

「だってじゃありません」

「…ごめん、リース」

「フッ、まだまだですね、ノエル様」

「…ムカつく」

ゼノは仕事もできるし、ただの執事なのがもったいないくらいの人材だ。
私の信頼できる数少ない人物でもある。
ただし、発言は気に食わない。

「で、なんかあったっけ?今日」

「まったくノエル様ったら…」

「それがノエル様ですよ、リース。興味のないことはとことん忘れる方です。」

「そうでしたね」

…私はなにを忘れてるんだ??