「それよりもスルト様、先日の件ですが…」

「あぁ、さっきエルに聞いた。建国記念日に動くぞ」

「かしこまりました。関係者に伝えておきます」

「頼む」

穏やかな寝息をたてるエルを見つめる

「この国の上層部は腐っている。俺たちはそれを一掃する。一掃した暁には俺がこの国の王になるとエルは信じている。でもそうじゃない」

「…」

「この国の王になるべきはエルなんだ」