ゼノの気が済むまで抱き締められていた私は、これからのことを考えていた。

このまま落ちこぼれでいれば一応平穏な人生で終わるだろう。

でもこの大国は表面上は平和でも、抱えている問題は多い。

その問題を上層部の多くは解決しようとしない。見て見ぬふりを続けている。

このままでは私の大切な人達にも影響が出る。そうなる前に私が動かなければ…

「…ゼノ」

「はい」

「私強くなるから…だから見守っていてね」

「仰せのままに」