「失礼いたします」

「失礼いたします」

不正を嫌い、法を司るスフィア侯爵。
彼はこんな私に好意的ではないが、ほかの貴族のように悪口は言わない。

だが娘のエレナはとことん私の悪口を言う。

「国王陛下、妃殿下、このたびは--」

父親が挨拶をする中、エレナは笑顔で王子2人を見つめている。

そして、

「エレナ、エレナも国王陛下にご挨拶を」

「はい、お父様。国王陛下、お初お目にかかります、スフィア侯爵の娘、エレナにございます」