青の彷徨




「いいね」

「うおっ」


中庭の花壇全部回ったのか。


あまりにも集中しすぎて驚いたわ。
影にも気づかなかった。


じいっとじいっと、その目だけで紙を燃やしそう。


「私、好き。悠李の絵。絵だけでその場にいるみたいで」


「……そう」


となりにしゃがみこんで同じ目線になる。

頬に手を当ててじいっとこっちを見る。


何年振りだろう。


小雪ってこんな感じだっけ?


真っ白で雪みたい。

名は体を表すって言うけれど、少し変わった気がする。雪というより妖艶。



「なあに?あ、邪魔しちゃった?ごめんごめん」


あっけらかんと小雪はくすりと笑う。



やっぱり笑顔は変わらないな。

懐かしい、この感じ。


同じ目線で笑いあったあの夏がすぐそこにあるかのよう。