「本当は泣き虫で子供っぽいところ」
人前ではできるだけそういうところ見せたくないんだよね。
そういう強がりなところも好きなんだ。
「そういうところが見たかったんだ、僕」
「馬鹿じゃないの?」
愛華ちゃんはさっきの作り物表情を変えて、くすくすと笑う。
これ、本性の方だ。
クラスではがははって大きく口開けて笑うもん。
これって僕に心開いてくれたってことでOK?
公式に笑顔見せてくれたって感じ?
マジか!?あ、えーと、マジか!?
お、おう、嬉しい。超嬉しいよ!!
「感情だだもれじゃないの」
愛華ちゃんは近くのブロックに座りこむ。
崩れるようにじゃなくて、腰を下ろす感じ。
「あれ、いつも3分くらいで練習に戻るのにいいの?今日ゆっくりだけど」
「……何でそんなことまで知ってるの?」
愛華ちゃんはこてんと首を右側にかしげる。
しゃがんで僕の目をじいっと見つめてくるんだけどこれ何!?
「ずっと見てたので」
僕もその横に座ろうとすると、どうぞ、と隣を空けてくれた。
顔を合わせて話すなんてほとんど初めてだから緊張するなあ。
でも初めてって感じでもないんだよね。
それはいつも見ていたからか。

