青い空、白い雲。
 いかにもな夏が視界に飛び込む。

 夏休み。

 最初の週末に花火大会はあった。


 打ち上げ会場近くのコンビニが待ち合わせ場所。
 眩しく溢れる午後の陽光の下、行き交う人を眺める。


『星宮さんの浴衣見たい』


 星宮、ホントに浴衣着て来るのかな?

 浴衣姿でそぞろ歩く女性を見てふと思う。

 そう言えば昔、姉が花火大会に浴衣を着て行ってた。
 紺地に白っぽい花模様か何かの。
 きっと星宮もあんな浴衣を着るんだろう。


『星宮さん色白いし絶対似合いそう』

 飯沼はむかつくけどそれは間違いない。



「香取くん!」

「!」


 不意に呼ばれて我に返る。


(星宮!?)


 やっぱり飯沼と一緒にさせなくて正解だった…


 浴衣姿─予想外のピンクの…

 はんなりとした淡いピンクのグラデーションが星宮の柔らかな雰囲気と白い肌に溶け込み、予想以上に似合っていた。


(やば…)

 胸が高鳴る。
 俺は星宮を直視出来なくて眼を逸らした。