「俺さ、友達いないんだよ」
「は?」
「引っ越してきたばかりで、知ってる奴がいないんだよ。ちょっと付き合ってくれないか?」
いきなり何を言い出すんだろう。他にも話しやすい人はたくさんいるのに。
「案内してよ。えっと……」
「ありす」
「ありす? すっげー可愛い名前!」
「うるさい。どこ行きたいの?」
気まぐれ。
友達がいないって言う彼に共感を覚えたからかもしれない。
それよりも、至は私の目を見て話しているのにそこには触れてこないから。
「付き合ってくれんの?」
「いいよ、まだ夏休みだから時間ある。明日から学校だけど」
「そう。それ! 俺も明日から学校だから、見て回れるの今だけ。だからさ、ありすのよく行く場所見たい」
「……うん、わかった」



