「待って!」



 許してもらえるはずかない。でも伝えなきゃ何も始まらない。
 何よりも、自分を変えたかった!



「あの時、せっかく話しかけてくれたのに。ごめん! 私、昔から上手く話せなくて……本当は話してくれて嬉しかった!」



 ちゃんと言えた。伝えられた。
 至、私ちゃんと言えたよ。あなたに出会えたおかげで勇気出せた!

 頭を下げたままでいたら、不意に肩を叩かれた。



「何だよ。普通に話せるんじゃん」



 彼女は私の手を取って、引っ張るように教室に入った。



「みんな、久しぶり!」

「おはよう! って、どうした? 何?」



 クラスメイトたちが私を見てぎょっとする。
 そりゃそうだ。一学期はまるでクラスの輪に入らなかった私が、人気者と登校してきたんだから。