一時間目が終わったあとの休み時間。


私は今、机に顔を突っ伏している。


校舎裏に行った、あのあと──。


私は、重たい足を何とか動かして、教室へと戻ってきていた。


教室には、もう翔とゆりちゃんは、いなかった。


ゆりちゃんが翔に話したかった内容は、多分、一ヶ月記念にどこか遊びにいこうと言いたかったんじゃないかな。


そう思ったから、私はあの場から逃げるように、教室を出ていったんだ──。


「翔くん、これどうかな?」


どこからか、ゆりちゃんの楽しそうな声が聞こえてくる。


「おっ!いいじゃん!」


そして、翔の声も聞こえてきた……。


付き合ってからというもの。休み時間になると、いつもあのふたりは、今みたいな感じで楽しそうに会話をするんだ。


その姿を見たくないと思ってしまう私は、いつもこうして、机に顔を突っ伏している。