そのあとのことは、よく覚えていない。
ただ、いつのまにか自分の部屋にいた。
あまりにもショックで、しばらくは立ち直れなかった。
そのとき、気がついたんだ。
私は、翔のことが好きなんだって──。
明るくて、優しくて、面白くて、いつも元気いっぱいで……。
そんな翔に、私はいつのまにか、恋をしていたんだって。
……なんでもっと早く、気づかなかったの……?
悲しくて、苦しくて、目から涙がじわじわと溢れてくる。
ポタポタと涙の雫がこぼれ落ち、床を濡らしていく。
「……うっ……グスッ」
この日は、一日中泣きじゃくった。
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