「当時、昭美さんはある組織のかなり深いところまで探ってらっしゃいました。
無謀にもたったひとりで。

それにいち早く気がついたのが蘭音さんです。

もう少し気がつくのが遅ければ、恐らくここにいる面々や要さんたちも相殺されていたはずです。」


『昭美さんや未羽さんの死を偽造したのをきっかけに澪と翼が裏に来た。

澪には裏で情報技術も同時に学んでもらって、俺と昭美さん、澪の3人である計画を立てた。』



まあ、大まかな提案をしたのは澪で細かい調整を俺と昭美さんがしたっていう感じだけどなぁ。



『俺たちは役割を分担したんだ。』


「私は情報操作と仕事の内容をいち早く覚えること。

昭美さんは私と蘭音さんの連絡の架け橋と情報収集。

私はある組織の勧誘リストに載っていたので、それを利用し、昭美さんと潜入の手引きもしていました。」


「ちょっと待って。
そのある組織って‥‥やっぱり‥‥‥‥。」




黙って聞いていた凛音が聞いてくる。




『KING。』


「裏の世界の王座を飾る者です。」


「潜入の手引きってことは、蘭音が今までいたのって‥‥っ。」


『そう。
俺は今まで〝KINGにいたんだ〟』