「どうして‥‥っ!?」


「その話は今からしよう。」




翼の問いかけに昭美さんが笑って答え澪の方に視線を向けると、澪の雰囲気が変わる。

その雰囲気は黒羽とも血桜とも違うけど、黒羽にも血桜にも似ている。

呼ぶなら雫石と言ったところか。




「では。
お話しましょうか。

私たちの口から。

全ての真実と、
今日まで長い月日を費やし
遂行してきた計画を。」




今までどこかふざけていた澪。

しかし、笑みを携えていることは変わらないが今の雰囲気は真面目そのものといった感じだ。




「話は私たち‥‥神月澪と工藤翼が裏入りをしたその少し前までさかのぼります。

凛音さんや翼が今知っている事柄は当時はそれが事実でした。」


「どういうことだ?」


『その時点では計画を知っていたのは俺と昭美さん、未羽さん。

そして謎すぎるほどに勘が鋭くてバレた澪だけだったんだ。』



あの時はなんでバレたのか不思議で仕方なかったよね。

まさか、あの時の状況‥‥翼の家に昭美さんと未羽さんが血まみれで倒れてるのを見て、澪はその2人に触れてもないのにものすごい真顔で〝なにしてんの?〟なんて聞かれるとは思わないじゃん?

その上、その問いかけをされる前に錯乱しかけた翼を殴って気絶させるとかいう芸当、小学生なりたての子どもが普通する?