「まあ、蘭音はやり手の情報屋だし、自分の意思で隠れてるとしたら完璧に痕跡は消してるだろうからなぁ。」
「始末屋としてもピカイチでしたしね。」
「そういえば、翼に基礎を教えたのは蘭音だったね。」
「はい。
とんでもなく厳しかったですよ。」
そう言って笑う翼さん。
『凛音さんって、いつ蘭音さんが始末屋だって知ったんですか?』
「澪と翼を引き込む少し前だったかな。」
当時は蒼炎といえば情報屋って印象だったから、全く気が付かなかったよ。と笑う凛音さんはどこかさみしそうだ。
「あいつは見抜くのも隠すのも上手だったからなぁ。」
「澪と同じですよねー」
兄貴も人を見抜くのも自分を隠すのも上手だ。
「けど、澪は最近は少しずつ素を見せてくれてるからね。
蘭音の場合、双子の俺でも理解出来ないところあるからさ。」