出していたノートパソコンをしまって、立ち上がる。
「あ、そうだ。」
『なに?』
「昭美さん。気をつけといた方がいいよ。」
気をつける?
ボスが裏切っているとでも言うのか?
「誰も裏切ってるなんて言ってないでしょ。」
俺の表情で読み取ったのか俺が口を開く前に訂正してきた蘭音。
蘭音はいつも以上に真剣な様子で言葉を紡ぐ。
「あの人、危ないことしようとしてる。
誰にも言わないけど、やばい事に首突っ込んでる。
気をつけとかないと昭美さんが危険だよ。」
『‥‥‥‥気にしとく。』
どこからの情報だとか、そんなに確信を得ているのは何故かとか。
疑問はいろいろあるけど、真実な気がした。
「白い羽も黒い羽も、その黒い影も。
その上に立つ者にとったら、無闇やたらに蠢く舞蝶(ピエロ)なのかもね。
俺も含めて‥‥だけど。」
『は?』
「舞蝶(あげは)それが凜音たちの通り名だよ。
白羽は凜音、黒羽は要、黒い影とはちょっと違うけど、黒鋭-kokuei-は秋雨
それぞれの通り名はほとんど知られてないけどね。
裏では有名だよ」