『お前には迷惑かけるな。』


「ほんとですよ。
俺も凜音も。要や秋雨だって高校生になりたてなんですよ?」




ふわりと笑うこいつがつい三週間ほど前まで中学生だったなんて、だれが信じるだろう。




『悪いな。』


「俺を始末屋として動かさないで下さいね。」




平穏に暮らしたいので。と哀しそうに笑う蘭音は自分の母親の死に際を目にしているせいか。

少し重い雰囲気になったと思えばそれを打ち砕くように蘭音の携帯が鳴る。

俺に一言声をかけて電話に出た蘭音は電話の相手に優しく笑いかけた。



「ふふっ。誕生日おめでとう、澪」