えぇ~い!
もういいや!

とりあえず持って行こう!

お母さんの『柊君来たわよ~』と
下から呼ばれる声を聞きながら
慌ててバックに詰め込み
部屋を出た。

バタバタと足音を立て
階段を駆け下りる。

「ちょっと、落ち着きないわね~
 ごめんなさいね?」

なんてお母さんが先輩に話しかけているところで
私も玄関に到着した。

「いえ、大丈夫です。これくらいのが
 俺には合ってます。危なっかしいから目が離せませんけど。」

ははっと笑って爽やかな笑顔を浮かべる先輩がいた。
下りてきた私に気付いて

「おはよう、まゆ。」

ドクン…
私に向けられた視線に胸が鳴る。