俺様王子が恋をした

【恭介】

明日から夏休みだっていうのに
なんだこの状況は…

俺とこいつ以外の全員はすでに教室を
後にしていた。

それはこいつ
『安藤りりか』の仕業だ。

春休みに一度だけ
関係を持った。

「私、ずっと恭介の事が
 好きだったの。あの子と別れて
 私と付き合って?」

Yシャツのボタンを胸が見えるほど開けて
俺に近づいてきた。
もちろんそんなの相手にするわけもなく

「無理。」

一言だけ、そう言って真優華を
迎えに行こうとすると
後ろからいきなり抱きつかれ

「あの子がどうなってもいいの?」

いつもの甘えたような声じゃなく
低い声で俺にそう言った。
こっちが本性か…

「なんかしてみろ。自分がどうなっても
 いいならな。あいつは俺が守る。」

絡みついた腕をほどきながら言った。